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《ネタバレ》 「踊る大捜査線」のスピンオフを除いた劇場版第3作。今までこのシリーズの劇場版はまあしょうがないかなというような評価をして来たと思うが、さすがに今回はとりあえず企画を立てて、とりあえず適当に脚本をでっち上げたというのが容易に推測できるような作品に仕上がっていて、ヒットさえすればなんでもいいという製作関係者の声が聞こえてきそうな感じがする。しかしそれにしてはこの映画で初めてこのシリーズに触れるいわゆる一見さんに対して不親切な脚本となっていて、和久の死について劇中何も詳しい言及がなかったり、(現実世界とリンクさせたのだろうが、それだけでは配慮に欠けていると思う。)交通課の篠原がいつの間にか刑事課に当然のようにいるのも理解不能。(ちなみに篠原を主役にしたスペシャル版は未見。)刑事が拳銃を盗まれるという展開は黒澤明監督の「野良犬」が元ネタで、ドラマシリーズの第1話でも「野良犬」を思わせる人物関係を描いていたので、まあ原点回帰を狙ったとも言える。しかし、ああも簡単に警察署の保管庫から拳銃を盗まれるようではいくらなんでもセキュリティ甘すぎ。署内に閉じ込めらて毒ガスをまかれるかもという普通なら緊迫するであろう後半の展開もまったく緊迫感がなく、スカンクを使ったギャグも薄ら寒いだけ。元々ある程度の緩さはあるシリーズなのだが、ドラマシリーズのほうが同じようなシチュエーションでももっと緊迫感はあっただろうに。真下もただ最後のシーンのためだけに出てきたようなものでそれ以外は別にいなくてもいいような存在になっているのではっきりいっていらなかったし、(最後の開署式のシーンだけでよかった。)青島のガン疑惑も感動させようとしていれたのかもしれないが、なんか空回りして滑っているような印象で、はっきり言ってやらないほうがよかったかな。全体的に見てもグダグダでシリーズ3本の中ではいちばんの駄作だろう。劇中に「賞味期限」というセリフがあるが、もうすでにこのシリーズも今さら感があるのは事実で、シリーズ自体の賞味期限が切れているのではないかと思った。このシリーズは嫌いではないけど、そろそろやめたほうがいいかもしれない。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 3点(2011-09-20 13:59:17)
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