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映画ドラえもん のび太と空の理想郷 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 映画ドラえもん のび太と空の理想郷
製作国
上映時間107分
劇場公開日 2023-03-03
ジャンルSF,コメディ,アドベンチャー,アニメ,シリーズもの,ファミリー,TVの映画化,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 同じ年の大河ドラマも手掛けていた古沢良太が脚本を担当した「ドラえもん」の劇場版。ユートピアであるパラダピア(パラダイス+ユートピア)を舞台にしているが、敵が世界平和のために人間の心を無くそうと考えているマッドサイエンティストな博士というのが意外性があり、テーマ的にちょっと難解さも少々感じるのだが、そういうテーマを持っていながら、小難しく説教臭くならずに、それでいて個人個人が個性を持ち、それを大事にすることの大切さをちゃんと描いていて、メッセージ性もしっかりとある映画になっていて素直に良かったと思えた。パラダピアで数日過ごしたジャイアンとスネ夫、そしてしずかちゃんが心を失って操り人形のようになっていくという展開はトラウマものでけっこう怖く、秀逸。ドラえもんと同じネコ型ロボットであるソーニャとの対比も面白く、最初は子守ロボットとして作られたドラえもんがソーニャに自分たちが生まれた理由を語る言葉はまさに「ドラえもん」という作品を象徴するような言葉で、とても印象深かった。四次元ゴミ袋や天気雨(狐の嫁入り)、そしてのび太が見つけた不思議な虫といった前半に何気なく登場した物が後の伏線になっているのもうまい。クライマックスはドラえもん映画にしては珍しくのび太たちの住む町内が舞台となっているが、考えてみれば古沢良太は山崎貴監督の三丁目の夕日シリーズ(アニメ版が「ドラえもん」の裏番組だったらしい。)の脚本にも参加しており、それもあってか山崎監督の手掛けた「STANDBYEME ドラえもん」を少し意識している部分もあったのかも知れない。ソーニャがパラダピアの爆発と共に消えるラストは「鉄人兵団」のリルルを思わせるものがあり、感動的。もう少し書かせてもらうとその直前にソーニャがドラえもんたちのタケコプターを撃っていくのだが、最後にドラえもんのタケコプターを撃つシーンの演出がまるでドラえもんが射殺されたかのような描写になっているのはビックリしてしまった。母に勉強会と偽ったり、最後の最後、0点の答案が落ちてきて母に怒られるのび太というのは「竜の騎士」を少し前に見ていたので、思わずニヤニヤ。のび太の両親が二人だけで食事をしているシーンがあるのだが、その怖いくらいの異様な静けさもすごく印象的だった。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 8点(2024-07-15 00:12:05)
その他情報
作品のレビュー数 2件
作品の平均点 8.00点
作品の点数分布
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