| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 伊丹十三監督の映画のヒロインといえば自らの妻でもある宮本信子だが、本作では付き合う男たちの運気を上げるあげまんと呼ばれる女性を演じていて、伊丹監督が自分の妻はこんなに魅力的なんだぞという声が聞こえてきそうだが、この主人公がはたから見るとそこまで魅力的に感じないし、いくら伊丹監督の作品とはいえ、宮本信子(役者自体は決して嫌いではないのだが。)がこういう役を演じるのはミスキャストのようにも思え、ナヨコの男性遍歴の部分だけ見ると伊丹監督が自分の妻を賛美するだけの映画に終始していて、伊丹監督らしいキレはあまり感じられない。しかし、政界の内幕ものとして見るとけっこうリアルに描かれていてそこそこ面白いものになっていてそこはいかにも伊丹監督らしい。でも、伊丹監督の映画の中ではやっぱり凡作の印象が強く、ラストもなんか物足りなさが残った。津川雅彦の役名が鈴木主水というのは劇中でもナヨコが侍のようだと指摘しているように必殺シリーズの中村主水(藤田まこと)を名前を聞いただけでつい思い浮かべてしまうが、ひょっとしたら津川雅彦が必殺シリーズの常連であることを意識しているのかもしれない。初めて見た時もそうだったのだが、総理役でワンシーン出演の東野英治郎がかなり老いを感じさせていて、もちろん役の上だけかもしれないが、ひょっとして晩年の本人もこんな感じになってたのかなとつい思ってしまった。(2022年7月30日更新)
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-04-18 18:15:27)《更新》
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |