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《ネタバレ》 予告映像では重厚なドラマのように見えて期待していたのですが、違っていました。バイオレンス映画として軽く観るぶんには面白いんですが、人間ドラマとして観るとかなりお粗末。激しい復讐劇の根幹に近親相姦を持ってくるのなら、その観念についてもっと深い思慮を持って欲しい。娘とセックスしたことに愕然とするばかりでなく、立派に成長した娘への感動や感謝はよぎらないのか。役者の突き抜けた演技には説得力があるけれど、脚本的には浅い。
オ・デスはミドの父親であることを隠し通すために、催眠術によって自分が父親であるという秘密を封印する。すなわち自分の娘との恋愛関係を続けることを選んだ。舌など切らずにキチンと真実を打ち明け、親子として暮らせる未来を求めるべきではなかったのか。それが強く重い意志による最善の「復讐」だと私は思うのだ。ウジンもオ・デスも結局、悲劇から逃がれたいばかりで立ち向かうことをしない。この弱くて盲目な二人を「リアルだ」と思うならアリだろうけれど、私にはおぞましいものでした。とどのつまり、性衝動の美化・正当化に執心しているだけ。(教室でエロイことするウジンが軽率だし、オ・デスが卑屈に謝罪した動機がミドとの恋人関係を維持するためだなんて)表面的なショッキングさを重視し、心理的な成熟が感じられない、悪い意味で現代漫画的な映画でした。 【337】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-05-14 23:39:23)
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