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楢山節考(1983) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 楢山節考(1983)
製作国
上映時間130分
ジャンルドラマ,時代劇,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  正直いって、今村昌平の映画は好きじゃない。猥雑な底辺の人間臭さ。そんなもの、わざわざ映画で見せつけられてもしかたがない。けれども、ここまで強烈に描かれては、脱帽する。若い醜男がなんとまあ、犬に夜這いかけて獣姦する。ちょっと前まで死にかけていた老女が頼まれて相手してやる。......漁港ではエイを、ヨーロッパでは牧童は羊を代用にして姦するという話を聞いたことがあるけれども、犬もありか。犬との獣姦シーンを観たのは初めてだ。そんな強烈な猥雑さと、貧しさゆえの残酷さ。しかし、それだけじゃなくて、神の山で死ぬということが、病気などで在宅で死ぬのとちがって、崇高な死に方なのだという信仰がちゃんと描かれていた。ひょっとすると、この老婆のように、昔の貧しい山村の生き方では、死に時と死に場所の選択が、おのれの意志にもとづいて、案外しっかりおこなわれていたのかもしれん。現代のわれわれには、意志いかんにかかわりなく、むりやり病院で、それもぎりぎりまで延命治療で生かされて、不自由に死んでゆくことしか許されていないのだ。はたしてどちらが崇高な死に方か。こんなふうに、猥雑さと残酷さにくわえて、崇高さも描かれているこの作品は、今村昌平の最良の作とお見受けする。
goroさん [DVD(邦画)] 9点(2009-01-24 03:48:33)
その他情報
作品のレビュー数 47件
作品の平均点 7.51点
作品の点数分布
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6714.89%
71531.91%
81021.28%
9919.15%
1036.38%
作品の標準偏差 1.30
このレビューの偏差値 58.78
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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