| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 日航機123便墜落事故の原因については、どうも解けない謎があるらしいが、このお話はそこにはいっさい触れず、原因は会社が社員の労働環境を改善しなかったところにあった、と暗に限定しているようだ。日航という親方日の丸会社の、政界がらみの、腐れ切った内幕をえんえんと描く。見終わって残る感想は、なんちゅう会社だ、という嫌な気分がほとんどで、「沈まぬ太陽」などという晴れ晴れしたものじゃない。おそらくこれはキツイ皮肉なのだ。「国の基幹会社だから、どうしたってつぶれない」というような。いや、いっそのこと、つぶしてしまえばよかったのだ、という気になるし、主人公はなぜあんな扱われようをされても、それでもやめず、会社のためにせいいっぱい尽くすのか、理解しがたい。労働組合運動の戦いで消えていった「戦友」のため? それとも事故の犠牲者に誠心誠意むくいるため?......どうもわからない。自分ならとうに辞めていると思う。主人公は、ほかにもっとやりがいのある人生をさがすべきだ。というわけで、スタッフが力をあわせて作った映画というのはわかるけれども、すっきりしないし、後味が悪い。それから、画面作りに金はかかってそうだが、カメラの画角が松竹ホームドラマ風で緊張感に欠けるし、音楽が安っぽすぎる。
【goro】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-12-13 05:12:23)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |