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スウィート ヒアアフター のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 スウィート ヒアアフター
製作国カナダ
上映時間112分
劇場公開日 1998-07-25
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
人の心の絶対的な閉塞感とそれに対する穏やかな諦観を、静かな眼差しで描いた大変な秀作だと思う。人間は曖昧さが好きなんだと思う。きっと明確な答えよりも。事象全てを曖昧さのオブラートに包むことで、自らを守っている。そして、生きている。人には、閉鎖的であることで安堵を感じる絶対的な性質がある。認めようが認めまいが。人生の曖昧さなんて、誰にもどうにも出来ない。そんな諦観を静かに、だからこそどこか温かい視線で、エゴヤン監督は提示する。徹頭徹尾決して分かりやすい物語ではないが、観客を突き放してもいない。引っかかりも残るが、取っ掛かりもきちんと用意されている。観るものによって、それは千差万別なのだろうけれど。押し付けがましくなく、思考を促させる。久々に私は、生きることの難しさについて淡々と考えた。そしてそんな私にこの作品は語る、「人は矛盾する、人の心は弱い、人の心は難しい、でもそれでいい、それでいいのだ。人はそれでいいのだ」と。何か大いなるものの目線からの、人の不完全さに対する公平で温かい視線を感じる。人の手に作られた映画を超越した、何とも言えない寓話性を感じる作品。誰が何と言ってもいい。でも私にとってはこの作品は大変な秀作です。いえ、それを超越しているのかも知れない。至高の傑作と言っていいのかも知れない、そんな作品です。
ひのとさん 10点(2004-01-10 23:04:43)
その他情報
作品のレビュー数 27件
作品の平均点 5.48点
作品の点数分布
000.00%
113.70%
213.70%
3311.11%
4414.81%
5311.11%
6725.93%
7414.81%
827.41%
913.70%
1013.70%
作品の標準偏差 2.08
このレビューの偏差値 60.45
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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