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《ネタバレ》 かの人がベジタリアンだったいうことをはじめて知った。役者でもある妻がキスをしているのは、夫と、大芝居を演じて女優しているときの教授とだけで、空軍中尉とはキスをさせていないところが絶妙なバランス感覚。思ったのは、監督がドイツ出身のためか、それとも自分がそういう目でみるからか、弁証法的な場面転換が多用されていると感じること。空軍中尉と人妻の会話が煮詰まってきたときに新聞を携えて登場するメイドの、人妻と教授がいい感じになりさあこれからというころで聞こえるドアのノックの音の、タイミングの良さ。うまいなあ、と唸るしかない。また、夫がゲシュタポに追い詰められたが、機転をきかして危機を切り抜ける場面、メンズルームに入る前と出てきた後でベジタリアンの顔が変化しているところなど、映像での説明を最小限に抑えて、観客の頭の中で絵やストーリーを想像させるのが非常に巧み。一応はナチスを揶揄した映画でありながら、同時に、全篇「全くオトコってやつは」「全くオンナってやつは」をとことん追究したとってもいけない映画。私はそこが好きだ。
【南浦和で笑う三波】さん 10点(2004-04-19 23:29:30)(良:1票)
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