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ティファニーで朝食を のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ティファニーで朝食を
製作国
上映時間114分
劇場公開日 1961-11-08
ジャンルラブストーリー,コメディ,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 「矛盾をはらんだ映画」――それが本作の宿命的性格だと思います。オードリーファンの私にとってはとりわけそう感じられます。女優としてピークを迎えたオードリーの魅力が存分にはじけている反面、作品としては凡作と言わねばならない矛盾(第1の矛盾)。音楽、オードリー(とネコちゃん)以外は見るべきものはなく、世評にあるほどの名作とは思えません。
  第2の矛盾は、そもそもオードリーを主役に据えたことに起因している皮肉。いうまでもなく、オードリー・ヘプバーンは「純粋さ、清らかさ、素直さ」といったところが生来のキャラです。ところがホリー・ゴライトリーはコールガールで、お金のためなら身を売ることさえ平気な女性。いわばオードリーとは対極にある存在です。その面白さを狙ったキャスティングだったのでしょうが、実際には両者の強烈な衝突は如何ともしがたく、ホリーの「闇」の部分はきわめてあいまいに誤魔化され、オードリーのイメージを損なわない配慮が目立つ脚本&演出になっています。その結果、多くの方の感想にあるように、ホリーがいったい何者か、よくわからなくなっており、本作の印象を弱めてしまっているように思います。
  第3の矛盾は、これがハリウッド映画だということからくる矛盾。原作とは正反対のハッピーエンドで、全体に流れるテイストもかなり違います。それは、商業映画として成り立たせるための方向転換だったのでしょうが、そのために原作の命とも思える“ネガな魅力”が、完全に消滅してしまいました。つまり、映画であるがゆえに生じた興醒めということで、これもまた本作の誕生時からつきまとった矛盾といわざるをえません。
  といったことで、異端の物語を王道でつくろうとしたところに本作の悲劇があったように思います。オードリーの魅力とネコちゃんの名演技とティファニー店員の粋な計らいに5点也を捧げます。ジョージ・ペパードは大根すぎ!
delft-Qさん [DVD(字幕)] 5点(2006-04-29 13:10:04)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 151件
作品の平均点 5.85点
作品の点数分布
000.00%
121.32%
231.99%
3127.95%
41811.92%
52315.23%
63724.50%
73019.87%
81711.26%
953.31%
1042.65%
作品の標準偏差 1.83
このレビューの偏差値 47.44
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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