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《ネタバレ》 私はエーコの原作を読んでいないので、原作とのギャップはわからないが、映画だけでもけっこう楽しめた。あるいは、原作とのギャップを気にせず、映画にのめりこむことができたといったほうがいいかもしれない。
ふだんは本に書かれている“知識”でしかない「宗教論争」とか「修道院」「修道士」などが、“現実”の姿となって眼前に立ち現われると、歴史がリアルに感じ取られ、それだけでまことに興味深い。現代の私たちは蛍光灯のある暮らしだが、当時はたしかに暗い生活だったのだろうなぁ、などと末節の事柄にも思いをいたした。 ラストで弟子と女性の別れが描かれているシーンが蛇足ではないかという意見もあるようだが、私は逆に重要なシーンに思えた。というのは、あれは単に弟子が女性と別れを惜しむということだけではなく、「世俗」との訣別を改めて決意することを象徴した場面として解釈できるからだ。しかもその決意は、「世俗」の甘美な誘惑の味を知ったあとで為されているから、なおさら意味深い。よく見直せば、そのような含意のあるシーンがほかにもあるような気がする。 それにしても、やはりショーン・コネリーは存在感のある役者だなぁとも感心することしきり。原作からは、かなり娯楽化しているみたいだけれど、そもそも映画は娯楽性をたぶんに含んだ芸術なので、私は9点也をささげたい。 【delft-Q】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-04-18 19:29:01)
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