Menu
 > 作品
 > ヒ行
 > HERO(2002)
 > delft-Qさんのレビュー
HERO(2002) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 HERO(2002)
製作国香,中
上映時間99分
劇場公開日 2003-08-16
ジャンルアクション,ドラマ,アドベンチャー,時代劇,ミステリー,歴史もの,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 純粋スペクタクルアクション系を想像していただけに、まったく異なる作品性格に驚いた。

この映画の白眉は、なんといっても始皇帝という存在に対する新解釈に尽きるだろう。トニー・レオンの残剣がなぜ「始皇帝は生かしておかねばならない」とこだわったのか。その理由を知ったとき、見る者は「あっ」となり、すぐ「そうかもしれない」と納得させられるものがあった。この1点によって、本作に一気に深みが与えられ、机上論的理想を追求するだけでは理想は実現しない現実の難解さを物語る深遠さを得た。

また、始皇帝にも始皇帝なりの正義があったと設定したところもよかった。彼が「結局、自分を理解してくれるのは、刺客の残剣だったとは」と嘆じるシーンは印象的。単なる勧善懲悪ものに終わらない魅力がある。

お決まりのワイヤーアクションもほどほどに楽しめ、あれぐらいでよかったという気がする。演出素材として水を活用してあったのも、私には効果的に思え、好感を抱けた。頭の中の戦いについては、あんなふうにできるのか、という声も聞こえてきそうだが、ま、あれはあれでええんでないかい、といった感じ。

別角度からの感想としては、中国・香港映画もここまで洗練されたか、という印象も残った。どこか荒削りでB級っぽいイメージはもはや過去のもの。そこに中国・香港映画の原点を求める人にとっては、決別の作品となったかもしれない。

delft-Qさん 8点(2004-04-24 12:24:15)
その他情報
作品のレビュー数 307件
作品の平均点 6.16点
作品の点数分布
030.98%
151.63%
251.63%
3134.23%
4258.14%
55317.26%
66119.87%
76721.82%
84514.66%
9237.49%
1072.28%
作品の標準偏差 1.93
このレビューの偏差値 54.95
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
HERO(2002)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS