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様々な問題を無造作に投げ出し、並べること。それらにメロドラマ的なり、叙情的なり、とりあえずの解決などは決して与えないまま、もちろん空々しい現実的な解決や思想を導くわけでもなく、井筒はそれを「映画的」に解決してしまうのだ。それは天才・松本でも計り知れない、映画に生きる者だけの選択(私はそれをマキノ的と言いたい)なのだと思う。■例えば、包茎手術後のペニスを養母に見せるシーンの混沌。包茎男の生い立ちが明確になる感動と、パンツを下ろす唐突なアクションと、クライマックスを形作る出産と、ユーモアと、下ネタがぐっちゃぐっちゃになる、そのエネルギー。あるいは、朝鮮突っ張り少女が四条大宮駅でふと見せる生活と、あの感動的な跳び蹴り。■まさにこれは「映画」なのであって、映画でしかどうにもならないことをやり、ハリウッド産エンターテインメントと小洒落たミニシアター系(実は出来損ないのハリウッド映画でしかない)の狭間にごんごーんと屹立する、これぞ娯楽映画なのだ。くたばれ今のハリウッド(とミニシアター)。これが映画だ。
【まぶぜたろう】さん 10点(2005-03-07 23:05:49)(良:5票)
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