Menu
 > 作品
 > ク行
 > 黒い画集 第二話 寒流
 > まぶぜたろうさんのレビュー
黒い画集 第二話 寒流 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 黒い画集 第二話 寒流
製作国
上映時間96分
劇場公開日 1961-11-12
ジャンルドラマ,サスペンス,シリーズもの,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
池部良、平田昭彦、新珠三千代が温泉宿で泊まるシーンのなんとエロティックなことか。三人は寡黙に、ただ互いに視線をかわしながら、その関係を変えていき、池部は静かに、無表情に嫉妬を燃やすこととなる。鈴木英夫の演出はオーソドックスに手堅く三者を捉えていく。そして三人が迎える朝の風景の素晴らしく残酷でクールな様。■このような手堅さ、丁寧に撮影された1カット1カットが丹念に紡がれること、その作家的なセンスを楽しむこと。■そのような楽しさにわくわくしながら画面を見つめていると、後半、映画は異様な様を呈しはじめる。池部の眼前に「前科○犯」の男たちが唐突に登場し、慇懃に次々と自己紹介をする。それを契機にしたかのように、池部の復讐はより絶望的に、彼の家庭はどんどんと崩壊していく。■この映画が素晴らしいのは、現実社会に潜む悪、「寒流」が唐突にその姿を現した、といったテーマに程よく収まることを拒絶し、いわばファンタジーのような様相、池部の立つ位置、そして私のいる位置すらも崩壊し始めたようなめまいを覚えることだ。堕ちていく池部良の無表情が素晴らしい。傑作。世の中には凄い映画がまだまだまだまだいっぱいある。
まぶぜたろうさん [映画館(字幕)] 10点(2005-11-23 19:49:08)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 12件
作品の平均点 7.83点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
418.33%
500.00%
618.33%
718.33%
8541.67%
9325.00%
1018.33%
作品の標準偏差 1.52
このレビューの偏差値 59.40
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
黒い画集 第二話 寒流のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS