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この頃の深作は理屈っぽい。たしかに、その理屈を物語にする手腕はこの作品が特に優れている。ラスト近くの北大路欣也の台詞や鼠の死骸に感動したりもする。また、深作の演出は抜群にセンスがいい、かっちょいい。台詞を聞かせない、街頭ロケの迫力、突然のミュージカル。しかし、理屈っぽい。山根貞男とのインタビューで自ら認めているとおり理屈が優先し、突き抜けてこない。この作品に限らず、深作はアクションの人ではなく、理屈の人、情念の人なのだと思う。しかし、それがどーゆーわけか「狂犬三兄弟」あたりからぶっとんでくる。物語は破綻し、役者の肉体が突出し、情念が情念のままむきだしになる。発展途上の深作、それがこの作品だと思うがどうか。関係ないが、この頃の三国連太郎はいいなぁ。成瀬作品の三国にしろ、なんつうか、そこに立ってるだけでいいって感じがする。
【まぶぜたろう】さん 8点(2004-03-08 13:44:29)
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