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越前竹人形 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 越前竹人形
製作国
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
物語を超える一瞬を観たいと思う。例えば、西村晃に犯された若尾文子が、髪の乱れを整えながら鏡を見ようとする。しかし、そのエロティックな瞬間は物語の中に収斂され、それ以上の突出をみせてくれようとはしない。私が観たいのは、物語の中の若尾文子ではなく、物語に亀裂をはしらせ、破綻させるまでのエロティシズムだ。この映画は、物語を超えた突出した細部、亀裂への予兆を随所に感じさせながら、ついにそれを超えようとはしない。破綻への恐れ。それがこの映画を物足りなくしているように思う。これは日本映画の面白さをたたえた傑作だと思う。しかし、どうも物足りないのだ。「雁の寺」のグロテスク、「妻は告白する」のぐいぐい文子を思い浮かべて欲しい。// 宮川一夫のカメラもまた、美しく物語に寄り添っている。しかし、例えば、ラスト近くに登場する川は、逆光にきらめく美しさをたたえる川ではなく、血にそまった情念の川ではなかったか。// その中で、中村鴈治郎が素晴らしい。川を背景に独白する鴈治郎の横顔の凄み。物語の現実が幻想へと、幽玄へと昇華する一瞬。これは素晴らしい。
まぶぜたろうさん 9点(2004-03-05 11:16:24)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 7件
作品の平均点 7.57点
作品の点数分布
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6114.29%
7228.57%
8342.86%
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作品の標準偏差 0.90
このレビューの偏差値 67.50
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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