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今さらながら初見ですが、これは傑作。他の方も指摘していますが、単によくあるエイリアンvs人間ではなく、人間どうしの疑心暗鬼の恐ろしさを描いているところが面白い。しかも、もっとも頼りになりそうなカート・ラッセルにさえ疑惑を残すことで、見ている側まで疑心暗鬼に囚われます。疑似体験型サスペンスといったところでしょうか。女性がいっさい登場せず、突出したヒーローや悪玉がいないあたりも潔い感じ。そしてもう1つ、巨匠エンニオ・モリコーネの音楽(というか効果音)が緊張感を煽ります。
その結果、南極でエイリアンに遭遇というとてつもなく荒唐無稽な話でありながら、ものすごくリアルに感じられました。そう言えば昨今も、電車の中で周囲に咳をする人がいると疑心暗鬼に陥るわけで。これも似たようなもんでしょう。殺し合いに至らないことを願うばかりです。 余談ながら、エイリアンの造形も面白い。基本的に脇役なので、とにかく思いっきりグロくてキモくて怖そうならOKというところから発想していると思いますが、結果的に映画「エイリアン」のそれとそっくりに見えました。あのネバネバで巨大な昆虫のような胴体と恐竜のような顔立ちを持つ姿というのは、何か原型があるんでしょうかね。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-02-23 02:29:35)(良:1票)
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