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静かなる一頁 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 静かなる一頁
製作国露,独
上映時間77分
ジャンルドラマ
レビュー情報
水辺の廃墟のような石壁の街を、生きる気力も神への信仰も失った『罪と罰』のラスコーリニコフを思わせる男がフラフラとさまよいついに倒れてしまう、という他に物語らしい物語はありません。実験的な映像の世界は独特としか言いようがなく、微妙に歪んだ画面や変化する色調、どこからともなく聞こえるざわめきのような音などに、不安を掻き立てられるような、それでいて郷愁に駆られるような、とにかく長時間観ていたら気が狂ってしまいそうな作品です。詩的で幻想的な雰囲気は、少し前にNHKの番組で見たノルシュテイン監督の『外套』を思い起こさせました(少しだけ似たシーンがあったのです)。また、ドストエフスキーとマーラーの組合わせが見事で、この作品で聴くマーラーの「亡き子をしのぶ歌」は、痺れます。(追加)あの歪みやゆらめき、ざわめきはもしかしたら「水辺」ではなくて「水の中」そのものなのかなと思えてきました。迷える魂が水中に漂っているイメージなのかもしれません。
あまみさん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-07 12:48:41)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 3件
作品の平均点 7.33点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.25
このレビューの偏差値 60.71
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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