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《ネタバレ》 ラモンは当然の事ながら、弁護士フリア・ロサ・マヌエラ・甥っ子バビ・兄・父・ジェネ・マルク・尊厳死の自由を認めず家族を侮辱し続けた神父・その神父とラモンの間に立たされ言葉のやり取りに走らされ重大な役目を担った若手助手・写真に映る昔の彼女・ロサの息子たち・フリアの夫。全ての登場人物の思いや想いが伝わってくるとても切ないドラマでした。(ラモンをボイロまで車で乗せて送る際、まるで何事が起きているのか把握出来ずに事情を察していないバンの運転手の気楽さを除く)
そして、ドラマの終焉に向けて気になってゆくフリアの想いとロサの想い、そしてマヌエラの思い。なんて気の毒でやるせないお話なんでしょう もう時間にして二時間、もちろん悪い意味ではなく熱くなる。 ただ、残念でならないのが、ラモンが生前最後に語ったビデオ撮影のシーンです。あのシーンにおいて、なぜ彼の口から(マヌエラ・ハビ・兄・父への)別れの挨拶と感謝の言葉が無いのかと、ずっとそれを口にしてくれと最後まで心の中で願ってましたが、それは叶わないものでした。そこに有り得ないやるせなさと僅かな怒りを感じつつ、ドラマラストへと向かってしまい、そこで評価を下げざるを得ない事態となってしまいました。ただ現実世界のほうでは、それを私らが目にしていなくとも、きっとどこぞかのタイミングでキチンと互いに思いはやり取り出来ていたのだろうなとせめて思わせていただきたい。そうでなければ、家族側の目線に立ってみた時、途轍もなくやるせない思いにだだ沈む。 ところで、夢の世界で窓を飛び出し、山を越え海まで目的地である海まで辿り着いたあの綺麗な場面、どうやって撮影されたのだろうかというのが気になりまして、なんせ、時は2004年の撮影なんですが、あの時代から既にドローンが導入されていたのでしょうか 山頂を撫でるように飛んでゆく映像、答えは分かりませんが、イコールタイトルを連想させられる事となる大事な夢のシーン、綺麗な空想ファンタジー感を味わわせてもらえた素敵な瞬間でした。 そして、ラモン演じるハビエル・バルデム撮影当時35歳。それでいて50代半ばまでを演じきっていたあの勇姿(?)信じられませんね 後で知り、驚きましたよホント。 最後に、内容が内容なだけに、素敵だとか感動したとか称賛するのが不適切なドラマなんですが、あくまで演者がいて、重圧で濃厚な人間の性をヒューマンドラマとして見せられたという事に限らせて言わせていただきますならば、、 海を飛ぶ夢、でもこれはラモン個人の夢で終わる話ではなく、いつ何時うちら個人に正夢となって跳ね返ってくるかもしれないお話だ。一度目より二度目、二度目より三度目と 見れば見るほど切なさが倍増してゆくヤバいほどに危険性を持った激薬だ。ドラマ後半では、各人との別れが分散されており、その別れのシーンごとに目頭がジンと熱くなる。だからこの先、このドラマの登場人物全ての顔を自分はきっと忘れない。デリカシーの無い発言に耳を疑った神父以外はみんな素敵な人物だ。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-09-23 23:00:59)(良:1票)
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