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原作は読んでいませんが、知り合いで原作を読んだ人、例外なく皆がすごい小説だとほめていたので、相当期待していきました。で、結果は「あらすじがようわからん」。在日朝鮮人や被差別部落、企業恐喝を扱うなど、今のタブーだらけの放送界、映画界では作品化にいろんな壁があったんでしょう。そこは評価したい。ただ、想像だけど、壁が低くなった分、たぶん作品の重要な部分を占めるタブーがタブーではなくなってきたんでしょうね。その分、リアリティが希薄になった感があるのでは。日本がまだ貧しく、高度成長で取り残された社会の底辺の澱のようなものがどす黒く息づいていた時代が実感できなければ、社会の底辺で生きる在日朝鮮人や被差別部落の人々も、タブーを犯した企業がトップを巻き込んで崩壊する様も、「はぁ?」という感じなのではないでしょうか。作品の時間の制約もあるのだろうが、きっと重要な役どころであったはずのそうした人々の人物描写も薄かった。枯れた渡哲也の演技は渋かった。しかし、まるで「ゲリ腹でトイレに行きたいのをずーっとがまんしているかのように見える表情」で演技する徳重聡にはあの刑事の役は重すぎたのではないか。名前も知らない脇役陣ですら刑事になりきっているのに、彼はどう見ても刑事には見えない。
【しまうま】さん 4点(2004-12-27 01:50:02)
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