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たまたまだけど、コール・ポーターの生涯を描いた「五線譜のラブレター」とこの作品を連発で見ました。かたやリッチな社交界を舞台にした白人作曲家のお話、こちらは貧しい黒人社会から音楽で成功したミュージシャンの話。二作のテーマはまったく違うんですが、アメリカのショービジネスの世界の深さと広さを感じることができました。この作品を見ると、音楽とは、黒人にとって金や自由、あるいは人としての権利、さまざまなものを闘い取るための魂のツールのようなものだと思えてくる。ブルースやロックンロール、ジャズ、彼らから生まれてきた新しいリズムや旋律が人種や世代を超えて人々の心をとらえる「音楽のダイナミズム」を足下から感じ始める。映画館では足でリズムを取っている観客もちらほら。ちょっと見てくれのいい東洋人がソウルだのR&Bだのって真似てみても、「何かが足りない」と感じるのは当たり前。ジェイミー・フォックスの鬼神の演技と名曲の数々を聴きながら、そんなことをふと考えました。
【しまうま】さん 8点(2005-02-18 12:40:56)
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