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華氏911 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 華氏911
製作国
上映時間122分
劇場公開日 2004-08-14
ジャンル戦争もの,ドキュメンタリー,政治もの
レビュー情報
アメリカで受け入れられるために必要なのかもしれないけど、死んだアメリカ兵だの罪もなく戦場に送られるアメリカの若者だの、ブッシュが犯した罪がムーア監督の指摘通りにもしあるなら、最大の被害者であるイラク人のことが少ししか描かれていないことにイラク人と同じ世界の中の非白人として何とも言えない違和感が残る。「ムーアさん、あんたもやっぱり『アメリカ万歳』主義なのね」とちょっと冷めた気分にも。もうひとつは、某深夜番組の井筒監督が言っていたように、これは映画館で見る「映画」ではないような気もすること。大画面で繰り広げられる虚構の世界に身を置いて、日常の憂さを晴らすひとときを楽しむのが映画の醍醐味ならば、この作品はそれに当たりません。NHKスペシャルを大画面で見ているのと変わらない印象が残るのです。もうひとつ、私は別の作品のレビューでも書いたのですが、「見る前から作家、監督の描きたいものが分かっている作品などおもしろいわけがない」ということもあります。ただし、それでもこのドキュメンタリー作品が人を引きつけるのは、今の世の中の「何か間違ってるのではないか」「どこかおかしいのではないか」という漠然とした疑問にすぱっと「答えらしきもの」を示してくれている点かもしれません。見た後に、一緒に見た人とついつい映画の内容について話をしたくなってしまうこともこの映画が良い作品であることのひとつの証左かも。その答えが正しいかどうかはムーア監督が話しているように、それぞれの観客が考えるべきなのです。それがなければ、作品で皮肉られている「無知でアホなアメリカ人」と同じになってしまいます。ジェットコースターや遊園地のアトラクションのような最近の映画は、見終わった後でコーヒーを飲んでいるうちに内容を忘れてしまうこともありますから、この映画が優れた作品だということは間違いありません。
しまうまさん 7点(2004-09-12 11:31:24)
その他情報
作品のレビュー数 169件
作品の平均点 6.15点
作品の点数分布
042.37%
121.18%
221.18%
342.37%
4158.88%
53218.93%
63118.34%
74124.26%
81911.24%
9148.28%
1052.96%
作品の標準偏差 2.00
このレビューの偏差値 52.14
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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