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《ネタバレ》 ヒーローモノでもアメリカ万歳、軍事力万歳ものでもない
スピルバーグの大傑作。 すさまじいリアリティと恐怖の大人の映画。 カメラの視点が人間の高さに統一されています。 視点の意味はふたつです。 一つはほとんどのシーンが人間の目の高さに統一されてること。 もうひとつは基本的に「トムが見たもの」しか映像として出てこないこと。 だから、全てのカットがものすごいリアリティを伴ったインパクトで 脳裏に焼き付きます。 これはこういうSF映画としては画期的じゃないかと思うのです。 普通は、迫力を出すために、あるときは主人公の視点から離れ、 「神の視点となり」カメラを縦横無尽に動かし、 例えば実際に宇宙人と軍隊の兵器がぶつかりあうところを バンバン撮るわけですが、今回神はいません。 基本的に「トムが見なかったものは写さない」という 手法を貫いています。 これは個人的には想像力をかきたてられ、 逆にものすごいリアリティを感じるのですが、 ここだけじゃなく、いくつか出始めてきた感想を読むと、 もっとスターウォーズなどのように、 ドンパチやってるシーンを詳細にハッキリ、バンバン見せて欲しかったというのが多い。 ラストも原作通りじゃなく、 人間側の知恵と勇気と工夫で、猛烈な反撃シーンを見たかったというのも多い。 いや、それならいつもの、軍事力賛美、 アメリカ万歳映画になってしまうだろうと思ってしまう。 あるいは少年ジャンプで育った漫画的発想かもしれない。 少年ジャンプもいいんだけど、この映画の素晴らしいことは 市民は圧倒的テロの前には「全く無力で、呆然と見て逃げ回るしかない」というところです。9.11事件を強く思い起こします。 骨格もラストも原作通りでGOOD。蟻と人間ほど力が違う場合、蟻の知恵と勇気で 反撃できて勝利を収め、最後、ばんざ~いで終るのはなんともリアリティにかけるのです。 圧倒的強者の自滅に待たなければならないわけです。 【うさぎ】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-07-02 08:11:07)(良:8票)
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