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解夏 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 解夏
製作国
上映時間113分
劇場公開日 2004-01-17
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 一言で言えば、自分(視聴者)とは関係のない誰かが突然不幸を背負って、彼女と二人三脚でがんばっている、という姿を描いた話。当人たちは死に物狂いで恐怖と戦っているのに、それが傍観者には「面白くない」「ドラマ性が薄い」としか感じられない。でも、これが恐ろしいくらいに真実をついている。あっさりこそ、リアリティそのもの。人間は、自分に関係のない人がどれほど苦しんでいようと、どこかよそごとに思えるものだ。この作品がつまらないと思える人は、身内に視覚障害者がいないのだろう。私は最初から最後まではらはらし通しだった。どのシーンで、いつ発作が起きて倒れるか。ハレーションが映る度にひやっとした。青年は発狂するほど苦しまないか、鬱に陥って発作的に自殺を計ったりしないか。もっとリアリティに、と皆さんは書かれているが、失明の苦しみをとことん追究して描いたら、とてもこんなに美しい長崎の情緒を表現する余裕はない。だからこそ、登場人物たちはアップになることが少なく、カメラを引いて撮影され、わざとある程度客観的に描かれているのだと思う。この作品には随所に、各登場人物たちの何気ないやさしさが動作に表れている。見る側は受身としてではなく、いろんなところに注意して、いろんな発見をしてもらいたいと思う作品。
tonyさん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-25 00:25:31)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 62件
作品の平均点 5.42点
作品の点数分布
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223.23%
311.61%
41422.58%
52032.26%
61016.13%
71117.74%
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946.45%
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作品の標準偏差 1.52
このレビューの偏差値 65.51
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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