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《ネタバレ》 K-219の放射能漏れ事故を描いて、既にベストセラーとなっていたドキュメント「敵対水域」を読んでいたので、この映画が公開されたときは完全なパクリ映画だと思っていたのだが、フィクション「K-19」(事故自体は事実)も実は同じ作者なのね。そりゃ似るのも当たり前だ。とは言っても、この話の展開・エピソードがほぼ「敵対水域=K219の事故」という感じがするのは、「敵対水域」を読んだ人には苦しいだろう。私もどこまでが事実なんだろうとか、どこまでがK-19の話なんだろうかと思ってしまって、話にのめり込めなかった。それはともかく映画のことを話せば、前半ややハリウッド臭い演出が眼につくところもあるが、それなりにきちんとした映画だな、と思う。勇気と使命感を持った兵士達へのオマージュであるとともに、原子炉事故の脅威と、そういう事故を招き、さらには必要以上に兵士の身を危険にさらすような軍上層部の非人間性や硬直した姿勢を批判する、というテーマは(「敵対水域」と全く同じだけれど)伝わった。ただし、アメリカに投降するのかしないのか、というラストの展開が雑で結局どうなったの?というのがわかりづらいし、総員退去する必然性や緊迫感の描写も今ひとつだったように感じる。また、ハリソン・フォードの役どころは明らかに不要で、こういうつまらんことをして映画の価値を下げるのがハリウッドの悪いところだと思う。個人的には字幕も不満。何箇所かあるが、「テスト・ミサイル」を単なる「ミサイル」にするのはマズイ。戦争になるかとちょっとドキドキしたぞ、戸田奈津子。
【veryautumn】さん 7点(2004-02-14 10:18:10)
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