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この映画、キャラが改変されているのもご都合主義も、わかったうえであえて洒落としてやっているのであろう。ショーン・コネリーが出てるのも、そういう洒落を洒落としてちゃんとわかっているからこそじゃないだろうか。これまでの指摘にあるように、この映画は明らかにそういう洒落のわかる人、ある程度教養のある人向けに作ってある部分が多く、そう考えれば製作者は相当な確信犯であるに違いない。つまり、こいつは「洒落っ気も教養もない客にはベタなストーリーとアクションで十分」「教養のある人は楽しんでね」という嫌味なスノッブさに満ちた映画であると同時に、そのいかにもイギリス人らしいスノッブの気風が、この映画の舞台となった時代が終わると共に失われていくことへの哀愁を示した映画なのだと思う。「敵」がドイツ人風であって、イギリス人であるクォーターメインが戦いの後の「新しい世界」をアメリカ人トム・ソーヤに託そうとする情景も、この映画が終わったあとに起こる対独大戦を挟んだ英米パワーバランス変化の隠喩だろう。もちろん、そういった諸々が映画の面白さに繋がっていなければ元も子もないが、この映画の場合はかろうじてそのバランスが取れていたように私には感じられた。マーク・ゴードンとショーン・コネリーのせめぎ合い、両者「有効」でショーン・コネリーの判定勝ちといったところか。
【veryautumn】さん 7点(2004-06-30 21:32:44)(良:1票)
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