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軍神といわれながらも、戦果のためではなく、ただ死ぬことに意義ありと送り出された特攻兵たち。何故帰ってきたと上官から罵られ、出撃前のひとときさえ憲兵から奪われ、戦後は白い目で見られた彼ら。その彼らへの哀惜の念だけで作られた映画だと思う。戦争賛美でも反戦でもなく、ただあの時、国のためだと死を強いられた若者達への想いが随所で伝わってくる。確かに、物語として面白くするためには、もっと整理が必要だし、他の方の批判ももっともだと思う所もある。しかし、死んでいった彼らの姿を、今の時代、誰が知っているだろう。特攻どころかあの戦争の時代の記憶を失いつつある現代で、彼らの最後の日々を伝える墓碑銘として、このような映画もいいのではないか。 □ □ □ 部隊の突入シーンは、巨額を投じるハリウッド映画に比べれば見劣りするかもしれないが、これまでの日本映画史上、出色の出来映えとなっている。米軍の記録映画でしか見たことのなかった特攻シーンが、生々しく眼前に再現される。このシーンに+1点。死んでいった若者達に+1点。
【駆けてゆく雲】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-20 12:27:27)
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