絶望の未来から人類のために時間を超えてやってきた囚人が、美人心理学者を巻き込みキーワードのために奔走する。もの悲しいピアソラのテーマ曲と、独特の雰囲気を持つ未来世界。ブルースウィリスはよだれを垂らし、デッキブラシで２回もゴシゴシ洗われる。ブラッド・ピットは完全なマッドでお尻まで披露し、ヒロインマデリーン・ストウはぶっ飛ばされて鼻血を出す。雇われ監督としてある部分は妥協しつつ、ある部分は意地を張ってギリアムはこの映画を作った。この映画の中のギリアムらしい質感を保った部分が大好き。未来世界に登場する女性科学者の赤い手袋など、時折出てくるギリアム臭を強く放つシーンに身をよじりながら１２モンキーズを私も追った。最初から伏線として現れていた空港での終演は、正直全然物足りない。一番大切なところがすべてギリアムに任せた演出とは思えないのはとても悲しい。でもそんなこと言いながら繰り返し観てしまう映画なのだ。ギリアムというだけで合格点になってしまう甘い私を許して欲しい。

【のはら】さん 9点（2004-03-07 13:19:30）

作品のレビュー数

261件

作品の平均点

6.99点

作品の点数分布

0	1	0.38％
1	1	0.38％
2	3	1.15％
3	6	2.30％
4	9	3.45％
5	35	13.41％
6	42	16.09％
7	54	20.69％
8	50	19.16％
9	42	16.09％
10	18	6.90％

作品の標準偏差

1.86

このレビューの偏差値

55.84
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値