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《ネタバレ》 血の繋がらない美しい娘が適齢期を迎え、無事お嫁に行くまでの古都奈良を舞台にした人情喜劇。題材だけなら小津でもこしらえることが出来そうな内容。しかし一体なんなんだろう・・・。キャストも新旧豪華でカラーなのに、この古色蒼然とした映画全体の雰囲気は。ホームドラマがお家芸だった松竹という映画会社の体質が、悪い方向の袋小路に入りつつあった時期の典型的な映画というか。1961年といえば、日活じゃ裕次郎「あいつと私」、アキラ、宍戸なんかが出ずっぱりで都会的で洗練された最先端の映画を量産していた頃。僕が当時の観客だったら、きっと松竹ではなく日活の映画館に入り浸ってたと思う。様式化された小津作品が今でも古びた匂いが殆どしないのに、割とキャメラを自由自在に動かしているこの映画がどこか古めかしく感じてしまうのは、監督の腕の差だけではないはず。
【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 5点(2024-05-13 20:59:20)
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