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かの豪華客船タイタニックが北大西洋で沈没した際には数え切れないほどの人間ドラマがあったのでしょう。乗客の中に一人の日本人(視察旅行中の国鉄職員)がいたそうで、「あの日本人は人を押しのけて救命ボートに乗った。」という悪い噂が遺族が本人から受け取った手紙で晴らされ・・・なんてこの映画が封切られた直後でどこかの新聞で見ました。そういったドラマの一つ一つを出来れば遺族などの証言によって再現し、救出されたそれぞれの乗客のその後の人生を淡々と描写したらそれだけで十分立派な映画作品になったはずなのに、一等船客ローズと二等船客ジャックの恋愛ストーリーを絡ませて安っぽくなってしまった感じがします。乗客がわれ先に救命ボートへと向かう中、18歳(どう見ても25歳以上に見えますが)の若い女性が船室に捕われて置き去りにされている知り合ったばかりの恋人を助けに群集と反対方向に向かい、わが身を省みず肌を刺す冷たい水をかいくぐるなんて嘘っぽくてしつこくさえ感じました。こんな作り話の挿話までてんこ盛りに入れなくても、タイタニック号遭難はそれ自体、多くの教訓を含む興味深い題材だったはずです。
【かわまり】さん 5点(2004-02-07 03:18:07)(良:2票)
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