Menu
 > 作品
 > ク行
 > クレオパトラ(1963)
 > かわまりさんのレビュー
クレオパトラ(1963) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 クレオパトラ(1963)
製作国英,米,スイス
上映時間251分
劇場公開日 1963-11-26
ジャンルドラマ,歴史もの,伝記もの
レビュー情報
エジプト王宮の豪華なセットやエクストラを多用したスペクタクル、エリザベス・テーラーを始めとする名優を投入した豪華キャスト・・・なのに「ベン・ハー」のように好きになれないのは、やはり、プトレマイオス朝エジプトやクレオパトラの生き方そのものにあまり魅力がないせいだと思います。クレオパトラを最後に滅亡したプトレマイオス朝エジプトは元来ギリシア人の征服王朝で、ギリシア系の王族や貴族の白い肌と彫りの深い顔立ちを維持するために近親結婚を繰り返したので、遅かれ早かれ王室や高級官僚にとんでもない劣性遺伝が顕在化して滅びる運命だったのです。それに王朝の存続だけを考えてローマの武将に肌を許すクレオパトラは女王というよりも超高級娼婦だし、シーザーにとってはクレオパトラを愛人にすることはエジプトを征服するのに自分の部下の血を流さずに済む一挙両得の方法だったし、アントニーに至っては悲しいかな、本国ローマでシーザーほどの人望もなく、帰国してもシーザーの養子のオクタビアヌスに頭を押さえられてうだつが上がりそうにないのでクレオパトラと結んでエジプト王になろう、と考えたのに決まっているのです。いくら名優でも史実を超えることはできないということだと思います。だったら、いっそのことレックス・ハリソン主演で「ジュリアス・シーザー」という映画を作り、「ブレイブハート」のような北方民族とローマ軍の戦闘もふんだんに描き、E.テーラーが助演としてシーザーの最後の勝利を恋愛で飾ったクレオパトラという女を演じたら(アントニーはコケになりますが)もっとダイナミックで納得のいく作品になったと思うのですがもう遅い。また、歴史に翻弄される男女関係の無常をテーマとしてストーリーを構築するのならスペクタクルではなく、女王や武将の地位を忘れさせるようなシンプルな舞台で照明だけを使ってシェークスピアの台詞を語るようなのがいいんじゃないでしょうか・・・?
かわまりさん 5点(2004-04-07 02:17:43)
その他情報
作品のレビュー数 32件
作品の平均点 5.84点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
326.25%
426.25%
5928.12%
6928.12%
7721.88%
826.25%
913.12%
1000.00%
作品の標準偏差 1.35
このレビューの偏差値 45.36
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
クレオパトラ(1963)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS