Menu
 > 作品
 > セ行
 > 1000日のアン
 > かわまりさんのレビュー
1000日のアン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 1000日のアン
製作国
上映時間145分
劇場公開日 1970-09-26
ジャンルドラマ,歴史もの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
映像と衣装の美しさ、豪華さで40年も前に作られたという古さを全く感じさせない作品です。リチャード・バートンのヘンリー8世は、「クレオパトラ」の中でレックス・ハリソンが演じたジュリアス・シーザーや「イル・ポスティーノ」の中でフィリップ・ノアレが演じたパブロ・ネルーダと並んで名優そっくりさん出演のチャンピオン格じゃないでしょうか。(ちなみに「クレオパトラ」の中でリチャード・バートンが演じたアンソニーはたいしたことないです。)アン・ブーリン役の女優さんの悪魔っぽいかわいさも際立っています。鑑賞の鍵となるのはやはり、ばら戦争などの内戦で疲弊した弱小国だったイギリス(イングランド)がヨーロッパの他の大国からの独立を保って次世代のエリザベス一世の下で日の沈まぬ国になったという運命のからくりです。「国王は男でなければならない。」というヘンリー8世に可愛いがられて成長したエリザベス一世が色恋を全く拒む女性君主になってスペインの無敵艦隊を破ったことは、生母アン・ブーリンと前妃キャサリンとの確執の因果でしょう。前妃キャサリンはスペイン史上人気ナンバー・ワンのパワー・カップル、イベリア半島からイスラム教徒を追い出してスペインを統一し、コロンブスの航海のスポンサーも務めたカスティラ女王イザベルとアラゴン王フェルディナンドの娘で、元々はヘンリー8世の兄のところに嫁いできて兄の死後、弱小国イギリスが大国スペインに頭が上がらなかったためにヘンリー8世が彼女の二人目の夫にさせられたという事情もあります。だから、キャサリンの娘でヘンリー8世の後を継いだメアリー女王は母方の宗教のカトリックに深く帰依し、映画「エリザベス」の中で描かれているように、国教会に属した異母妹のエリザベスを虐待したのです。こんなことに想いをめぐらせながら鑑賞すれば二時間半はあっという間に過ぎてしまいます。質、長さともに久々に見た大河ドラマでした。
かわまりさん [DVD(字幕)] 10点(2009-12-06 11:11:55)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 5件
作品の平均点 8.20点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7120.00%
8360.00%
900.00%
10120.00%
作品の標準偏差 0.98
このレビューの偏差値 68.75
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
1000日のアンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS