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日本の映画の中でこれほど外国人受けする映画はないと思います。統計をとったわけではないのですが・・・でも、外国人がこの映画を評価するのは色鮮やかな旗が乱舞する合戦シーンなどの日本趣味でしかないのかもしれません。また、この映画を一度しか見ないで出来不出来を云々する方の中には外人がこの映画を見る目とそれほど変らない見方で評価していらっしゃる方も多いのではないかと思います。でも、私はこの映画を二度目に見た時にはシェークスビアの原作にはない何か、日本的、あるいは仏教的と言ってもいいかもしれない何かを感じました。二度目には長男の妻と同じ経緯で一文字家に嫁いできたのにもかかわらず寛容な心でもって秀虎を許す次男の妻やピーターが演じた狂阿弥の台詞の一言一言に着目する余裕があったせいだと思います。参考になるかどうかわかりませんが、シェークスビアは「リア王」を書くに当たって作品をキリスト教と無関係なストーリーにしたいと考え、わざと舞台をキリスト教伝来以前のイギリスに設定したそうです。だとしたら、この映画は黒澤監督がシェークスビアの意図を受けてセンター前にヒットさせたような作品かもしれません。でも、私はやはりこの作品は「黒澤」で「日本」だと思います。
【かわまり】さん 9点(2004-03-09 11:31:28)(良:2票)
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