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映画は脚本が命とよく言われます。ストーリーが面白いのが正道というわけです。一方でストーリーは平凡ですが、演出が面白いという作品もあります。『勝手にしやがれ』なんかがそうですね。後者の場合はいわば「中身がない」わけですが、それも一つの映画のかたちではありましょう。しかし、ストーリーが複雑なうえに、演出に凝っている作品は感心しません。両者が高いレベルで不可分に結びついてるなら別ですが、これは明らかにやり過ぎで、観客を置き去りにする危険性があります。『スナッチ』はその一歩手前でしょう。断片的に面白い場面があるからまだ救われてますが(リングが水に変わるシーンは素晴らしいです)、物語がわかりにくく、全体的な整合性を大きく欠いています。とりわけ、本作のような演出の凝り方は、相撲で言うネコだましみたいなもので、場当たり的に奇をてらっているように見えます。このシナリオなら「正道」として十分勝負できるじゃありませんか。何も奇策の方を前面に押し出さなくても、と私なんかは思うわけです。
【円盤人】さん 4点(2004-10-09 22:34:03)(良:2票)
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