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本作の成立経緯はあらすじで紹介した通り。10月革命を描いているわけですが、ロシア革命について知識のない人には勧めません。ソ連の国策映画であるという以前の問題で、「ボリシェビキとは?」「メンシェビキとは?」「臨時政府とは?」など、素人に対して説明されることが全くないからです。さらに本作は抽象性を遊戯的に用いていて、芸術性は確かに高いのですが、おかげで画面に登場する何が何を表しているのか、非常にわかりにくくなっています。ロシア史を多少かじった程度では(と自戒を込めて言う)この映画を満喫するなど、とてもとても!レンタルビデオ店において、娯楽として消費されるには正直きびしい映画です。もし名高いエイゼンシュテインの映画を観ようというなら、ずっと有名でしかもわかりやすい『戦艦ポチョムキン』をお勧めします。『十月』は玄人むけだと思います。最後にひとつ。エイゼンシュテインは静から動への展開がものすごく巧い。本作での開閉橋のシーン(ここはわかりやすい)は、『戦艦ポチョムキン』における、「オデッサの階段」に負けない迫力を持っています。
【円盤人】さん [映画館(字幕)] 5点(2004-09-02 21:30:38)
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