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サイレント時代の傑作、というかサイレントだからこその傑作。
もっといろんな視点で細かいことを語り始める時代になると、こんな面白さは出せない(まあもっと時代を下っても月光仮面とかスーパージャイアンツなんてのが出たりしますが…)。 主人公はめっちゃ強い! 速い! 優しい! それを画面全体で現すにはこれしかない〜ッ! っていうような、一点集中の演出が潔いですよ。 筋が無茶苦茶でもけっこう! 単騎千里の疾駆感を出すには(移動撮影にあぐらをかくだけじゃなしに)バババーンと画面いっぱいの十字架を立てたれ! 観客が思いもつかないくらいの絵にせや〜っ…という監督の檄が画面から飛んでくるみたいです(正直、あの十字架と早駆けのクロスカッティングは燃える!)。 余談。 今回、上映にあたって薩摩琵琶の劇伴がつきました。 これがもう、「文化庁フィルムセンター」のロゴが出る前からべべべべん、べべべん…とカーペンター節に近いのをかませてくれまして、もうかっこいいのなんの。サイレントって見る時々で味わいや感動が全然違ってて、でも、それでいいやいい経験できたんだから、って思ってしまえるお気楽さが本作の場合、気持ちよかった。鑑賞なんていう洒落たもんじゃないですね。やっぱこういう古典作品は「体験」っていう方が似合うね。 【エスねこ】さん [映画館(邦画)] 8点(2015-06-15 20:46:59)
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