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ひとつの作品として見れば無難な仕上がりとなっているが、これがリメイク作品となればやはりオリジナル版との比較は避けて通れない。極論から言えば、せいぜい今回のハリウッドリメイクは良く言っても劣化コピー止まりだろう。オリジナル版のふたりの主人公・ヤンとラウの双方からの視点で進行する無駄の無いストーリー展開とスタイリッシュな演出はやはり監督の力量もさることながら、主演のトニーとアンディの確かな演技力に支えられてこそのものだった。ディカプリオは相変わらず無難に巧いが、目の表情やふとした仕草だけで全てを物語るようなトニーの表現力には及ばず、残念ながらあれでは単なる気の短いチンピラ程度にしか見えない。何だか表情に深みがないんだよね。そしてデイモンに至ってはこれは別に彼が演じる必然性などまるでない、本当にどうでもいい扱いだった。これは明らかにキャスティング以前の問題だろう。ラウが体現していた目に見えない重圧や苦悩を今作ではほとんど描ききれていないのだから、作品として致命的ではないだろうか。特にコリンとフランクが最後に対峙するシーンのチープさときたら…。本編が無駄に長尺になった上に重厚さを失った劣化リメイク版。これでオスカーを取れてしまう時代なのだからハリウッドも地に落ちたと言われても仕方がないだろう。
【Minato】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-08-19 00:45:00)
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