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レット・イット・ビー のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 レット・イット・ビー
製作国
上映時間80分
ジャンルドキュメンタリー,音楽もの
レビュー情報
レット・イット・ビーはそのタイトルがポールの代表曲のものであることが示すように、彼が主役のドキュメント・フィルムである。「一度原点に帰ってライブバンドとしてのビートルズを世間に知らしめてやろう」。もともとこの企画自体が、かような思いを持ったポールが主導して進められたものらしい。その経緯をそのまま表すように「真面目にやれ」とメンバーに檄を飛ばすポール。確かに作曲家、マルチプレイヤーとしての才能には絶大なものを感じる。素晴らしい喉も披露してくれる。しかしジョンはカメラの前でわざとらしく張り切ってみせる彼に当惑しているように見える。ポール作の「トゥ・オブ・アス」「ロング・アンド・ワインディングロード」「レット・イッ・トビー」等は名曲とはいえ歌詞はオフコースもかくやというほどの通俗。そのうえこのえげつないとも言える張り切り様はヨーコと知り合って浮世離れが加速しつつあった当時のジョンには耐え難いものがあったのではないだろうか。すでに作曲者としてのピークを過ぎてしまったジョンが絶好調のポールになんとかかんとか付き合っている様子が窺えて興味深い。他にも見所はいろいろある。ジョージが自作「アイ・ミー・マイン」をメンバーの前で初披露するのだが、照れてしまいなかなか始めないところをリンゴに強く促されてしまう。ポールとは真逆の奥ゆかしさが可愛い。ジョージのリンゴに対するコード指南のシーンなども二軍同士仲良しっぽくて実にほほえましい。そのジョージにも容赦なくギターの指図をして「はいはい、あなたの仰せの通りに弾きますよ」と言わしめてしまうポール。お山の大将状態が止まらない。スタジオ内では重苦しい空気が漂うシーンが多いせいもあって最後のルーフトップセッションでの開放的な、和気藹々としたプレイに何か救われる思いがしてしまう。ここらへんの構成の妙がこの無計画なドキュメンタリーの救いかな、とも思うがいずれにせよビートルズのファン以外は全く楽しめない作品なのだろう。
皮マンさん [映画館(字幕)] 8点(2008-06-17 14:41:12)
その他情報
作品のレビュー数 8件
作品の平均点 8.88点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.78
このレビューの偏差値 35.64
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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