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ローズ・イン・タイドランド のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ローズ・イン・タイドランド
製作国英,カナダ
上映時間117分
劇場公開日 2006-07-08
ジャンルドラマ,ファンタジー
レビュー情報
《ネタバレ》 人は何かあまりにも辛い出来事があると、その現実を直視できず、まるで何事もなかったかのように振る舞うことがある。ローズのように極端な経験はなくともそんな状態は理解できないでもないから、彼女が父親の死体を無感動に飾り立てるのを観ると、胸が軋んだ。きっとローズだって心のどこかでは状況を把握しかけていたはずで、ただそれを受け入れる力がないから得意な空想の世界で防壁を張っていたんだと思う。あえてコミカルに描かれていたりするけど、彼女の生活はもともと悲惨なもので、それが父親の死をきっかけに、決定的な孤立に追い込まれる。やっと助けが現れたと思っても、頼りない狂人に過ぎない。

切ないのはローズの見る世界は歪んでいるようで、ある種異様な美しさを持っているということ。幻想を作り出すことで生き延びるのを、一概に現実逃避として否定していいのか、それとも逆にその人なりの強さとしてみるべきなのか、どうもよくわからない。ローズはかわいそうだけど、助けがなくともどうにか生きていけそうな感じもする。歪でおぞましく、でもときにはとても美しい世界で、身を守っていくような気がする。だけどそれが強さだとしたら、あまりにも哀しい強さだ。
no oneさん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-05 23:54:17)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 34件
作品の平均点 5.97点
作品の点数分布
000.00%
125.88%
212.94%
312.94%
412.94%
5514.71%
61132.35%
7514.71%
8720.59%
900.00%
1012.94%
作品の標準偏差 1.98
このレビューの偏差値 55.19
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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