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《ネタバレ》 『狼たちの午後』というタイトルとあらすじを読んで、サスペンスフルなアンチヒーローものかな?と誤解してレンタル。全然違った。アンチヒーローに仕立てられてしまった凡人の行く末を描く、どこまでもリアルで泥臭い、人間ドラマだった。
最初の期待が筋違いだったのもあって、後半からは少し眠気に襲われた。実話に忠実だから仕方ないのだろうけれど、脚本が緩急に乏しい点は否めない。序盤はとんでもないことが始まりそうな雰囲気が満々なのだが、中盤から急に奇妙な家族ドラマの様相を呈し、サスペンスとしては中途半端にしか盛り上がらない。 初めからそのつもりで鑑賞できていれば、もしかしたらちゃんと楽しめたのかもしれない。いっそのことストックホルムシンドロームをネタにもっと膨らませて、ほとんどフィクションにしてくれたらよかったのにと思った(それじゃあ映画の主旨が変わってしまうけど)。なんにせよ、もっと脚本を絞る余地があったはずだ。 俳優さんに関しては文句なし。アル・パチーノはもちろん、神経質で臆病で、なおかつ危険な空気を漂わせるジョン・カザールが素晴らしい。出演作は少ないのに、この人の顔はしっかりと記憶に焼き付けられてしまった。 【no one】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-01-03 22:28:09)
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