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政府・厚労省や医療機関は新型コロナウイルスについて独自に総括しているだろうけど、我々一般国民はまだだった。そういう意味でこの映画は大変意義深い。すっかり忘れていたが確かに日本のDP号対応は欧米から馬鹿にされていたな。が、あちらさんは瞬く間に日本以上の惨状となってしまう。COVID-19はそれほど強い感染力を持ったウイルスで、今なら水際対策など不可能だったと皆が理解しているが、当時はSARS対策の成功体験から島国日本ではそれが可能だと思われていて、DMATへの批判の一因になったようである。医療従事者とその家族の苦労は映画で見た通りだが、市中感染者への風当たりも当初はかなりきつかった。屋形船、スポーツジム、カラオケ店、病院…とクラスターを出した施設を袋叩きにする風潮もすぐにできあがっていく。都道府県別では岩手県が最後の牙城だった。が、岩手県民が幸せだったかというとそうではなく、むしろ岩手第1号になっては生きていけない、というようなプレッシャーの中で暮らしていたという。分からないことだらけで皆が恐怖に支配され、ピリピリしていた。だから、ある程度は仕方なかったと思うし、後出しじゃんけんのごとく今さらあれこれ言うべきでもないだろうが、それらを忘れて生きていくのと、記憶に留めておくのでは大きな差があるはずだ。もちろんこれは自戒を含んでいる。全国民が観るべき映画。配信もかなり普及したけど、いつか地上波で流してほしいな。これから映画館で観る人はハンカチをお忘れなく。泣ける作りになっているので。
【リーム555】さん [映画館(邦画)] 9点(2025-06-25 23:00:53)(良:1票)
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