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羅生門(1950) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 羅生門(1950)
製作国
上映時間88分
ジャンルドラマ,法廷もの,時代劇,モノクロ映画,犯罪もの,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 88分という短い時間に、見事に“人間”が描き込まれている。
本作の事件の顛末の“真実”自体には驚くべきものはないのかもしれない。
描きたいテーマは、人間はある“真実”を歪曲し、都合のいい解釈を行い、自己を美化し正当化し、または自分に言い訳をするものだということだ。
“真実”はたった一つしかないのかもしれないが、関わった人間の数だけその“真実”というものは存在するのかもしれない。
この現象こそ、古今東西を問わないひとつの“真実”だ。
我々が知る歴史や事件というものも、恐らく一方向から見た歪曲化された“真実”も含まれているのかもしれないと感じさせる映画だ。

また、鬼でさえも逃げ出す人間の恐ろしさ、自分を守ることしかできない人間の愚かさ・弱さを描き切っているが、そんな汚れた弱い人間に対して、ひとつの“希望”をラストの赤ん坊に託したのだろう。
自分だけを守る弱さだけではなく、他人をも守る強さをも人間は抱えているということを黒澤はメッセージとして残したかったのではないか。

ストーリーや哲学性だけではなく、森林での撮影技術が素晴らしすぎる作品でもある。
この点に対しても注目してもらいたい。

ひとつ残念なことは、本作には字幕機能が付いていなかったことだ。
テーマは劣化することはないが、音質の劣化だけは防ぐことができない。
六本木ソルジャーさん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-05 16:57:47)
その他情報
作品のレビュー数 184件
作品の平均点 7.33点
作品の点数分布
000.00%
110.54%
221.09%
321.09%
442.17%
5126.52%
63016.30%
74625.00%
84222.83%
92714.67%
10189.78%
作品の標準偏差 1.69
このレビューの偏差値 48.86
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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