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先日『朝日新聞』紙上で劇作家の山崎正和が昨今のアメリカの一極化について書いていたのだが、その中でアメリカという国は今も昔も「正義の実現について、青年のように懐疑を抱かず、一本気で性急なのである。」とあった。確かにこの映画を観ていると、一旦見つけた悪者(かも知れない者)を法や規律に反してでも裁きを下す多数派と、少数派だがそういった行為に意義を唱え続ける人達がいるという基本構造が昔も今も何ら変わっていないことに気付く。大勢の人間があるひとつの方向を向いたときの恐ろしさは幾度となく歴史が示しているが、でもいつの時代にも(勿論この先も)その是非を問う人達が間違いなく存在することに希望を抱く。この映画のラストはその意味で鑑賞後感が悪くないのだと思う。
【パキちゃん】さん 8点(2004-02-27 02:05:09)
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