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ブラック・ダリア のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ブラック・ダリア
製作国米,独
上映時間121分
劇場公開日 2006-10-14
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,ミステリー,実話もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 ジェームズ・エルロイの原作は、ロサンゼルス・ノワール四部作のなかでも、いちばんエンタメとしても時代ものとしても面白い。ただ、エルロイの原作の主役は、やっぱり1940年代から50年代の「都市としてのLA」そのもの。戦争と繁栄の背後でうごめく人たち。いろんな人種、階級、性的指向の人たちがハリウッドという華やかな舞台の影で欲望のままに突き進んだ先に訪れる悲劇。その夢と欲望を食って、醜く膨張するLAの姿こそ、エルロイの真骨頂だと思います。ただ、ブライアン・デ・パルマ監督の作風が、残念ながらその「都市もの」としてのエルロイ作品とうまくマッチしていないような。デ・パルマ監督はもっと人への執着が強く、奇妙な人びとが作り出す異様な空気をねっとりと描き出す。とくに、リンスコット家のディナーシーンは出色。前半のなぜか主人公目線のカメラでの家族紹介、一転して俯瞰的な視線からの会食シーン、そのなかで「さー破綻が来るぞ、来るぞ」という緊迫感がたまらない。ただ、全体をまとめるような都市への視線が弱く、どうしても各シーンがバラバラで、へんなシーンの寄せ集め映画になってしまったのでしょう。キャストも、全体的にうまくはまっておらず、こちらもチグハグ感が否めない。

一つ一つのシーンはなかなか面白く、全体としてはあまり退屈せずに楽しめたのですが(原作読んでるのも大きかったかも)、終わってみたら、結局なんだったのかという感じ。原作だったら、そこで浮かび上がる「暗黒都市LA」の姿が、残念ながら見えてこないのですよね。そこに、傑作『LAコンフィデンシャル』との違いもあったと思います。その点で残念な一作でした。
ころりさんさん [インターネット(字幕)] 5点(2024-08-10 18:10:21)
その他情報
作品のレビュー数 67件
作品の平均点 4.42点
作品の点数分布
011.49%
111.49%
234.48%
31217.91%
42435.82%
51319.40%
645.97%
768.96%
822.99%
900.00%
1011.49%
作品の標準偏差 1.68
このレビューの偏差値 52.07
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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