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ボヘミアン・ラプソディ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ボヘミアン・ラプソディ
製作国
上映時間135分
劇場公開日 2018-11-09
ジャンルドラマ,実話もの,音楽もの,伝記もの,同性愛もの
レビュー情報
《ネタバレ》 ライブエイドのシーンは、本当によかった。それまでの物語の伏線がすべてこのシーンへと結びつき、一気に涙腺も崩壊した。とくに、エイズ患者と思われる青年との1対1のコール&レスポンスのシーンは、ライブエイドにフレディが立つことの意味を示す、わかっちゃいるけど泣いてしまう「ザ・伏線」だったと思う。クイーンの4人の関係も、そっくりなブライアン・メイは味わいがあってよかった。ただ、この作品が避けて通れない、フレディのセクシュアリティの描写は残念な限りだった。この物語の筋は基本的にホモフォビック(同性愛者嫌悪)に見える。フレディが自身のセクシュアリティを自覚し、メアリーともクイーンのメンバーとも離れていく描写のなかでは、ゲイコミュニティの描き方は悪意を感じるほどステレオタイプた。彼らは享楽的・短絡的で、酒とドラッグとセックスにまみれた自堕落な存在としてしか描かれない。それが仮に事実に即していたとしても、なぜあの時代のゲイたちがああいうライフスタイルを送らざるをえなかったのかをきちんと描けないのなら、そしてエイズパニックによって彼らがどんな偏見の目にさらされたかを描けないのであれば、この題材を取り上げるべきではなかったのではないか。このプロットでは、結局「彼ら」からフレディを取り戻すのは、元妻のメアリーであり、クイーンのメンバーたちである。その後に、エイズ患者の青年やジム・ハットンとの交流を加えて、それなりの「配慮」は見せるけれど、やはりこのプロットはあまりに偏っている。ブライアン・シンガー降板の背景に、このプロットがあったのではないかという気までしてくる(もっとも、その後にブライアン・シンガーの少年に対するセクハラ疑惑が表沙汰になったのは壮大な皮肉だけれど・・・)。そう考えると、やっぱりこの映画は、フレディ・マーキュリーという稀代のスーパースターの内面には入り込むことなく、彼が残した音楽を表層的にちりばめた、よくできた「再現ドラマ」にしか過ぎないのかもしれないし、ある意味、それが大ヒットの理由のような気がしてきて、ライブエイドに条件反射的に泣いた後、とても乾いた気持ちになりました。
ころりさんさん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 5点(2019-02-17 21:24:04)
その他情報
作品のレビュー数 129件
作品の平均点 7.40点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
210.78%
321.55%
421.55%
586.20%
62418.60%
73023.26%
82217.05%
93124.03%
1096.98%
作品の標準偏差 1.62
このレビューの偏差値 40.80
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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