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マイケル・ムーアの故郷フリントへの愛情が伝わってくる作品ですね。エンターテインメント性という意味では、後の作品には及ばないし、彼の独特のナレーションや編集の手法もまだまだ荒削り。しかし、そのぶん、ムーア自身の問題意識のようなものがストレートに反映されている。工場閉鎖の後、家を追い出されたり、犯罪に巻き込まれたり、アムウェイにハマったり、ウサギをバラシ売りしたりと次々と追いつめられていく失業者とその家族と、そうした彼らに対して「働きにいったらどうだね」「怠けてる」と言い続けるGM関係者や金持ち(そうな)人々の対比は印象的。ゴルフクラブで優雅にゴルフしながら「社会保障がよすぎて怠けてるのよ。働きなさい」と失業者を非難する白人おばあちゃんのシーンには苦笑するしかない。ムーアにとってなによりも悲しかったのは、製造業で支えられてきた故郷の町に生まれた、この大きな亀裂だったのではないか。
【ころりさん】さん 6点(2005-01-28 08:49:15)
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