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《ネタバレ》 ちょっと高めの7点。前半は「5点くらい」と思って観てましたが、後半の展開がけっこう興味深かったです。
前半は、コスチュームがダサいし、セットやマシンは安っぽいし、美魔女みたいな中国人女優は老け顔だし、なんだか半世紀前のSFテレビシリーズを見てるみたいで、ついついアジア資本映画の"後進性"ばかりが鼻につきました。 でも、2匹目のサメが現れてからは、そういう問題は一気に吹き飛びました。物語のなかでも、欧米とアジアの優劣やら差異といったものが意味を失っていきます。それまで英語で喋っていた中国人は勝手に中国語で喋りはじめるし、白人も、黒人も、アジア人も、なりふり構わずにわめき出します。中国人だけでなく、あらゆる人種が見すぼらしく惨めになって、ハリウッド映画にありがちな人種ごとの類型的な役割分担もなくなってしまう。つまりは、圧倒的な脅威の前で、すべての人間がまるごとコケにされてしまうのです。その感じが面白かった。制作者がそういうことも計算ずくで作っているのを感じました。 もちろん巨大ザメの描き方こそがいちばん大事なはずですが、わたしとしては「多様な人種のキャラクターをどう描いてるか」という点に最大の見どころを感じました。アジア側にかなり配慮してる面はあるけど、この作品が商業的に成功したということは、欧米をふくむ映画市場もけっこう懐が深かったのだなあと思います。いまやスクリーンのサメに食われるのは欧米人だけではない、という時代の変化が、意外に新しいスタイルを作っていくのかなと思う。 …以下は蛇足ですが、サメが、巨大な躰のくせに浅瀬にまで侵入してきたり、グルメなくせに固くて不味い潜水艇に何度も食いついたり、音と臭いに釣られる深海魚のくせに弱点が「目」だったりするのは、たぶんツッコミどころなのだろうと思う。さらに、わたしが変だなと思ったのは、プラスチックが頑丈なくせに金網がもろいこと、それからイカのくせに足がタコっぽいことでした。 【まいか】さん [地上波(字幕)] 7点(2020-08-09 09:27:32)(良:2票)
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