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《ネタバレ》 人は記憶と意識によって定義される。身体がなくなっても、記憶と意識が残れば、その人は生きているのだし、逆に、身体は全く健全でも、記憶と意識が別のものになってしまえば、それは別の人だ。そして、その記憶と意識が数十年という限界を持っていると意識するとき、それを愛おしく思う強い気持ちが生じる。「ブレードランナー」のレプリカントは、その有限性をさらに圧縮された存在であった。その生き様からは、短縮された生の輝きが強烈に伝わる。・・・・・「キルドレ」は逆に、その生の有限性から解放された存在だ。永遠の生を与えられた彼らの日々の生活は、当然、惰性となり、輝きを失う。だから、彼らは戦闘での死を敢えて選ぶ勇気を持とうとする。その時、日々の生活は輝きを取り戻すのだ。空でティーチャーに遭遇したとき、彼らが必ずそれに挑むのは、生の充実を求める衝動に突き動かされてのことに違いない。・・・・と解釈できるかなと思うけど、この映画を見て、死を選んだ函南から、生の輝きは伝わるだろうか。むしろ僕には、押井は、この作品を通じてを死を弄んだだけのように思われた。・・・・それにしても、「こども」「大人になる」「kill father」とか、後半は、ヱヴァンゲリヲンを見ているようだった。・・・・子どもは煙草を吸ってはいけない。(こんなに煙草を美味しそうに吸うシーンが何度も、何度も出てくる映像は、反社会的である。10年前に苦労してやめた煙草をまた吸いたくなってしまったではないか。)
【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-03-01 16:10:32)
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