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《ネタバレ》 この映画は、事実の重みも、下手な脚色をすると、だいなしになりかねない、という典型ではないか。、、、、冷厳な事実であっても、娯楽的要素を入れて、稼げる映画にしなくちゃね、という映画製作者の精神に対して、僕は怒りに似た感情を禁じ得なかった。、、、本当にベルファストの屋根の上で棒きれでギター代わりにして狙撃されたのか、本当に拷問しているそばでバースデーケーキ食べていたのか、本当に主人公は父親と同じ監房にいたのか、本当に真犯人と共鳴して監獄で暴動を起こしたのか、本当に判決が出ると何の手続きもなくそのまま法廷から出たのか、本当にジュゼッペの死に接して囚人達はほぼ全員、窓から紙に火をつけ落としたのか、本当にジュゼッペは息子を助けに行って逮捕されたのか、、、、、。この中に事実でないものが含まれているなら、本当の事件を扱ったこの映画で、どれが事実で、どれが事実でないのかがわからなくなってしまう。、、、事実は藪のなかじゃん、事実はあくまで素材じゃん、という考え方も確かにあるのだろう。、、しかし、事実を訴えた主人公、それを信じた父というこの映画の中心的な姿は、事実の重みに拘らない安易な商業精神に晒されれば、霞んで見えなくなるのではないだろうか。この映画を見て、一番悲しい思いをしているのは、父自身ではないか、とさえ僕は思う。
【王の七つの森】さん 4点(2005-03-04 09:14:49)
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