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時代の転換期にあって、道半ばに斃れた、想像力豊かな指導者というのは、ロマンの薫りを漂わせるものですね。、、、日本でいえば、ぴったしの人はいませんが、強いていえば、龍馬や信長なのでしょうか、、、。但し、この映画を見た人に、「テロも仕方のない場合がある」「今のIRAが理解できた」という印象を生み出してしまうなら、この映画は失敗作といえるのではないでしょうか。なぜなら、コリンズの闘争は、植民地支配を行う為政者、機関に対して、政治的権利を制約された多数者が行う闘争であり、ある意味で正当な革命権の行使であるのに対して、いわゆるIRAの闘争は、北アイルランドを舞台とする、多数決で意見を反映できない少数派による一般市民をも巻き添えにする闘争だからです。、、、それに時代も国際環境も随分違う。、、、、、結局、監督がアイルランド出身であるということが、この映画の場合、逆にマイナスに作用している部分があるように思います。それは、1) アイルランドの貧しさ、英国の不在地主による支配、貧富の差異が宗教の差異に転化されて増幅することなどは、アイルランドの彼にとっての常識であっても、多くの人にとってはそうではなく、それらが欠けてしまうと、コリンズの大義も不明になる、2) どうして今、コリンズを主人公とする映画を撮るのかという問いかけが弱くなり、結果として、何が主題なのかが伝わりにくくなる。、、、、例えば、武田鉄矢が龍馬の映画をとるといっても違和感がなく、結局、武田鉄矢の思い入れだけの映像になるだろうけど、もし、だれでもいいけど、M・ムーアが龍馬の映画を作るとか言い出したら、えっ、どーして、なんで、ということになり、制作意図がそれだけ明確になり、いー映画になるかもしれません。、、、、、、まあ、アメリカ市場を念頭に置いて作成される歴史映画に期待してはいけないということですね。(暴力、アクション、恋愛を分かりやすくサーヴィスする必要がありますものね。)
【王の七つの森】さん 7点(2004-08-31 15:03:05)
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