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もちろん、原水爆の問題を重要なアイデアとしているが、この映画の根底的なテーマは家族だと思う。、、、、、、三船はイタリア映画に出てくるような家父長を演じようとしている。子どもたちのことを配慮し、世話をしようと、paternalisticに振る舞う。しかし、子どもたちは、父である三船を尊敬せず、その意思に従おうとせず、家族は崩壊する。、、、、、「生きる」ですでに表現されていた「家族の否定」という論理は、この作品で、全面的に展開されることになったのである。、、、、、そう考えると、最後のシーンの意味も、なんとなくわかった気になる。赤ん坊を背負って昇ってくる根岸。根岸は、三船、赤ん坊、自分とで、小さな家族を形成しようとしているのだ。しかし、その小さな家族は、すでに崩壊した三船の大きな家族と同様に、崩壊することを運命づけられている。あるいは三船が狂気に囚われている時、成立することさえないのだろう。、、、、、、、黒澤という人は、家族というものに、何か怨念のようなものを持っているのだろうか。、、、、、それと、三船の演技は、最初は、「生きる」の志村喬に匹敵するとも思われたが、考えてみると、特に、そこまで狂気を演じなくても良いのではないだろうか。
【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-30 11:51:13)
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